永遠に忘れない夏・中篇

8月26日の夜

既に3公演観ていたミュージカルの素晴らしさを胸に、新宿コマ劇場のすぐ近くのカプセルホテルに泊まる。


しかし
1人カプセルの中に入って寝ようとしたが、どうしても頭の中に出てくるのは麻琴のこと。
モーニング娘。小川麻琴も明日が最後・・・!


いろいろな事を考えて、思い出して・・・寝れない。
ノートパソコンを開けて音楽を聴く。
聴いたのは
「パープルウインド」
「色っぽい じれったい」
Ambitious! 野心的でいいじゃん
「わたしがついてる。」
青空がいつまでも続くような未来であれ!
「さよなら See You Again アディオス Bye Bye チャッチャ!」


どの曲も思い出深く・・・余計に寝れない。自爆的行為。


「わたしがついてる。」の歌詞より


隠れてないで
ここまで来てよ
泣いてもいい
笑ってもいい
どんなふうでも生きていけるさ


だって
あなたには
このわたしがついてる!


この私がついている・・・
私が!


あかん。マジで寝れん。


麻琴がいなくなっちゃうなんて寂しすぎる。
寂しい・・・
寂しい・・・



かなり遅い時間に寝付いたこの夜はどんな夢を見たのか覚えていない。


ナイロン麻琴

8月27日は幸運にも夜公演のチケットを買うことができた。これで昼夜観劇できる。


小川麻琴モーニング娘。として最後の役割となった家臣ナイロン。「どうでもいい脇役」「誰でもできる」とか言う声もあるみたいだけど、僕は重要な役だと思った。
家臣ナイロンが居てこそ大臣が生きる。
観る前は正直ハロモニコントをイメージしていたもので(それと比べるなよ)あまりに自然な演技に最初は驚いた。そこでその表情、目線、台詞、動き。自然だ。違和感がない。
このミュージカルでは他の役の人も実に物語の中に入っていて不自然さがほとんどない。それに驚いた。
コミカルな動きと台詞、忠臣と凡人を使い分ける器用さ。台詞噛み噛みになるかとも思ったがそんなシーンは一度もなかった。1つだけ言えばソロ歌唱が欲しかったが。
ナイロンの衣装も特に帽子が似合っていて可愛らしかった。(レビュー時の燕尾服?&ショートパンツの方がもっといいけど(笑))
ここまでできる演技力を持っているのに、辞めるなんて本当に勿体無い。
それでもこの27日千秋楽の舞台パフォーマンスは最高で役者さん達の気合が入りまくり。そしてそれがこちらにも伝わってくる。
最後に聞いたことだけど、客入りが日を追うごとに増えていき、それがとても嬉しかったとか。この内容なら正当な評価だと思う。


昼公演のフィナーレ

第1幕を観終えて休憩から帰ってくると、オールドさんが声をかけてくれた。来れなかった知人の分というS席のチケットを譲ってくれた。ありがとうございます!
こうしてA席から15列の右サイドの座席で第2幕を観劇することになった。ここはさすがに近い。役者の顔が良く見える。反対サイドを見ると幕の影に隠れて出番を待つ(多分)道重さゆみがいた。可愛い!
そして舞台も終わり、彼女らはモーニング娘。に戻り歌を歌う。この時の僕の視線は麻琴オンリー(笑)。人生においてここまで1人の人を見続けたことは無い(笑)。双眼鏡と肉眼を使い分け小川麻琴の顔と全身を、できるだけ目を切らずに凝視。
行き過ぎてる亀井絵里と違い(爆)、麻琴は丁度いい肉付きで、ちょっと高級OLっぽい衣装が色っぽかった。知らぬ間にすっかりイイ女になったんだな。
個人的にいいと思ったのがこの緩やかなフリ。おかげでその柔らかい表情をずっと見ていられた。


・・・なんかこの双眼鏡は視界がブレるな。それになんかぼやけている。


次の曲の「わたしがついてる。」の時も麻琴は本当に優しげな表情。天使の羽とこの衣装、白と黒の組み合わせ。これは本当にいい。


もう泣いてましたね。ハンカチ持って泣く泣く。涙はいくらでも出てくる。大の大人が廻りも気にせず啜り泣き。


この「わたしがついてる。」の時はずっと泣いていた。それが終わって、美勇伝の「紫陽花愛アイ物語」かと思ったら、なんかそれよりゆっくりなメロディーが流れてくる。聞いたことあるな、と思っていたら麻琴がそのままステージの中央へ。そして他の8人のメンバーが白い羽を持ってセンターの麻琴を飾り立ててくれる!


青空がいつまでも続くような未来であれ!


もうね、号泣どころじゃなかった。限界を超えた泣きレベル。途中で手足はガクガク震えだすし、頭もクラクラしてくる。貧血を起して倒れそうだったので、とっさに頭を膝の間に入れてそれを防ぐ。オレの体は大丈夫か。栄養失調か。オッサン1人が何をやっているのだ。オレ泣きすぎ。本当に周りの人には迷惑をかけたと思います。ごめんなさい。


それからのことはあまり覚えていない。ボォーっとしてたもので。
ただ最後まで、幕が下りるまで麻琴を眺めていた。


夜公演

麻琴の事があっても、このミュージカルはそれを忘れさせてくれるくらい素晴らしい。多分このラスト公演が最高の出来だったと思う。愛ちゃんも美貴ちゃんも吉澤さんも素敵すぎる。みんな最高だ。


「いつまでも終わらないでくれ」と思った。


それでも「その時」は来てしまう。
フィナーレでは昼で散々泣いたのが効いたのか、それほど泣きはしなかった。
メンバー一人一人から向日葵の花を一輪ずつ渡され抱擁する。その時の麻琴の表情は忘れることはできない。

カーテンコール

マルシアさん、箙かおるさん、石川さん、愛ちゃんが紹介されて挨拶をする。これだけのミュージカルをやりきったということで、それぞれ熱のこもった涙も笑いもある挨拶だった。


麻琴へのお別れのメッセージは限られたメンバーのみ。
まずガキさんは泣きモード。
思えば卒業発表があってから今日まで「まこりさ」が濃かったな。ハロモニのチーム分けとかDVDマガジンとか。ガキさんは麻琴よりも若いのにいろいろな物を背負って生きているんだなと感慨。


「まこっちんに出会えてよかった!」


しばらく麻琴はガキさんと愛ちゃんにサンドイッチされるように抱擁される。


次のミキティはいつもと同じく明るいしゃべり方。こちらも思わず笑みがこぼれる。で、最後は抱擁。


よっすぃーも最後はギュッと麻琴を抱きしめて・・・


そして最後は麻琴のメッセージ。
麻琴らしく(笑)、グダグダな部分もあったし、よっすぃーの助けも借りたけど、最後は


「それでは小川麻琴 元気に行ってきます」


青いサイリウムと鳴り止まない麻琴コールの中、カーテンコールが4回、5回。
そのたびに麻琴は嬉しそうにピョンピョン跳ねて、昔のピーマコ小川のように(笑)。


本当に嬉しそうに、最高の笑顔で!!